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伊勢カントリークラブのコース設計について

井上誠一

伊勢の新コース建設地は、その方向、地形、環境、土質等ゴルフコースとして備わるべき数多くの立地条件に対して全てを充たしている素晴らしい場所であります。

此の得難いカンバスを与えられ、之に思う存分筆を揮うことが出来ますことは私にとって非常な喜びであり又光栄であります。

名古屋を中心とする中部地区のゴルフ界は、年毎に目覚ましい発展を続けており幾多の立派なコースが次々に誕生しておりますが、伊勢もその中に伍してひときはユニークな存在となりますよう構想を凝らしました。

此のコースの最も特徴と考えます点は、コースが夫々変化にとんだ個々のホールの組合せによって成立っているという点でありましょう。

打ち上げ、打ち下ろし、尾根通り、谷通り、森のホール、池のホール等々応接に暇もないといった感じになりましょう。

然し総じて極めて緩やかな起状に終始していますのでお年寄りやご夫人にも過重な疲労を与えずカートも楽に利用できる程度となりましょう。

地形の変化や池水の配置はプロ級プレイヤーの戦略策を高度に要求し、生易しくはパーを許しません。然し一般のプレイヤーは自己のハンディーに応じたルートの選択によって極めて平易に楽しむことの出来るレイアウトを意図して居ります。

気候にも恵まれ殆ど積雪の無い土地柄であり、又名阪神地区よりのレジャー地帯でもある伊勢の地理的事情を考慮に入れて、いつ行っても絶好のコンディションでプレーが楽しめるようにとグリーンは高麗芝とベントクラスの2面を置く事にしました。

そしてどちらのグリーンを使った場合でも総距離が殆ど等しいようにレイアウトに苦心を払いました。之も私として全く新しい試みであり、グリーンの違いによって生じるハンディーの修正等の煩わしい問題も解消します。

既に工事も計画工程通り大成建設のゴルフコース建設門の練達のスタッフによって完了すべく進めており、クラブハウスの設計についても色々私見を申し上げて、コースに適応した建設が出来ると期待すると同時に、更に之等諸施設に適応した格調の高いカントリークラブが育まれますよう切望する次第であります。

中部地区で私が設計を委託されました、愛知(東山)桑名、春日井、に引続いて今度伊勢がお仲間に加えて頂くわけですが、どうか上記4コース同様可愛がり、育んでやって頂きますようお願い申しあげます。

(昭和40年作成のパンフレットに掲載された記事より)

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